アーンド・バリュー・マネジメント (EVM:Earned Value Management)
 ・プロジェクトの実績と進捗を客観的に測定するマネジメント手法。
 ・出来高(完了した作業の予算コスト)、実コスト、計画を比較して、パフォーマンスを測定する。

 基本パラメータ
 ・完成時総予算(BAC:Budget at Completion)
計画時のプロジェクトの総予算
プランド・バリュー(PV)の最終的な値と同じ
ただし、コンティンジェンシー予備は含むが、マネジメント予備は含まない。
 ・アーンド・バリュー(EV:Earned Value)
出来高
Earned(生み出された) Value(価値):作業の結果、どのくらいの価値を生み出したか
完了した作業に対する予算コスト
予算上100万円分のコストの作業を完了したら、EVは100万円
※たとえ実際のコストが1000万円であっても1万円であっても
 ・プランド・バリュー(PV:Planed Value)
ある時点で、完成する予定の作業に対する予算コスト
4月1日に100万円分の予算の作業が完了する計画になっていたら、
その時点のPVは100万円
計画はすごく遅れているが「計画上は、現時点で100万円分の作業が完了したはず」
 ・実コスト(AC:Actual Cost)
ある時点までの作業によって発生した「実際のコスト」
4月1日時点で合計1億円のコストが出ていたら、4月1日時点のACは1億円

 パフォーマンスを測定する指標
 ・スケジュール差異(SV:Schedule Valiance)
スケジュール差異
SV = EV - PV (出来高から計画を引いたもの)
プラスならば作業先行(OK)、マイナスなら遅延(NG)
SVが1万円なら、1万円分の作業が進んでいる。
SVがマイナス1万円なら、1万円分の作業が遅れている。
 ・コスト差異(CV:Cost Valiance)
CV = EV - AC (出来高から実際のコストを引いたもの)
プラスならコスト内(OK)、マイナスならコスト超過(NG)
CVが1万円なら、予定より1万円少ないコストで済んでいる。
CVがマイナス1万円なら、予定より1万円のコスト超過
 ・スケジュール効率指数(SPI:Schedule Performance Index)
スケジュール効率指数
SPI = EV / PV (出来高と計画との比)
1より大きい場合はスケジュール順調(OK)(出来高>計画)
1より小さい場合はスケジュール遅延(NG)(出来高<計画)
SPI = 1.1 ならば、1割ほどスケジュールに先行
SPI = 0.9 ならば、1割ほどスケジュールが遅延
 ・コスト効率指数(CPI:Cost Performance Index)
CPI = EV / AC (出来高と実コストの比)
1より大きい場合はコスト効率が良い(OK) (出来高>実コスト)
1より小さい場合はコスト効率が悪い(NG) (出来高<実コスト)
CPI = 1.1 ならば、1.1のコストがかかる作業を、1のコストで終わらせた。
CPI = 0.9 ならば、0.9のコストがかかる作業に、1のコストを使ってしまっている。
 ・残作業のコスト見積り(ETC:Estimate To Complete)
残作業のコスト見積り
ETC=(BAC-EV)÷CPI ※現在のCPIが今後も続く場合のモデル
ETCの計算方法はモデルによって異なる
 ・完成時総コスト見積り(EAC:Estimate At Completion)
完成時総コスト見積り
EAC = AC+ETC
 ・残作業効率指数(TCPI:To-Complete-Performance-Index)
残作業効率指数
TCPI=(BAC―EV)/(BAC―AC) もしくは (BAC―EV)/(EAC―AC)
※計画を当初予算を変えない場合と、目標予算を変更した場合
計画予算内に収めるために必要となるコスト効率
BACやEACなどの目標を達成するために必要なコストパフォーマンス
BACが実現不可能な場合、EAC(完成時総コスト見積り)の予測を作成
EACが承認されたら、コストパフォーマンスの目標としてBACよりEACが優先される。